防衛機制とは
防衛機制とは不安な気持ちから自分を守るために無意識に行われる心理的なメカニズムのこと。
ここでは代表的な防衛機制を挙げます。
置き換え
置き換えとは、自分の感情を元来の対象に向けずに他の人や物にぶつけることです。
自分の感情を元来の対象に向けることができないため、自分よりも弱いものが置き換えの対象になります。
分かりやすく言うと気晴らしや八つ当たりです。
置き換えの事例
- 怒りに任せて物を投げる
- カラオケでストレスを発散させる
- 職場で上司に𠮟責を受けた夫が家に帰ったあとささいなことで妻を怒鳴る。
否定
防衛機制の最も一般的な形態は、現実や事実を否定することです。このようにして、人は辛い状況を避けることを選択するのです。
リプレッション
この抑圧の防衛メカニズムは、人と人との関わり方に影響を与えます。この防衛メカニズムは、将来の行動に影響を与えるような記憶を意識的に保存しています。例えば、親から虐待を受けた経験のある人は、大人になってから人間関係を築くことが難しくなります。
昇華
昇華は正攻法と考える。このメカニズムを適用する人は、自分の感情や気持ちを、より安全な(ポジティブな方向の)物や活動に発散させます。
例えば、怒りを感じた人は、運動などポジティブな活動で感情を発散させるでしょう。
プロジェクション
投影は、他人を巻き込む防衛機制です。もし、私たちにとって受け入れがたいことがあれば、それを説明し、他の人に伝えます。
プロジェクションは、表現に身を任せることで効果を発揮し、不安を軽減することができます。
知的財産権
知的化は、出来事を冷静に考えることで、不安を軽減させる働きがあります。
この防衛機制により、ストレスの多い感情的な側面について考えることを避け、知的な要素に集中することを選択することができます。
合理化
合理化とは、間違った行動だとわかっていても、その行動を選択する防衛機制のことです。
例えば、成績が悪かったとき、自分が十分に勉強していなかったことを自覚するのではなく、先生のせいにする人がいます。
リグレッション
この防御機構は、子供に最も見られやすい。人はストレスとなる出来事に直面すると、時に前段階の行動に戻ってしまうことがあります。子供の場合は、おねしょや親指しゃぶりなども含まれます。
形成反応
反応形成は、反対の行動をとることで不安を軽減することができます。
フロイトによれば、人がこのような行動をとるのは、この防衛機制によって自分の本当の気持ちを隠し、別の行動をとることによって表現しているからです。
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